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Title-Ja

「福島への祈り」 ウクライナで初となる福島の写真と伝統工芸品の展覧会

2013年7月9日より、博物館一階展示ホールにて新しい企画展が開催されます。大地震と大津波で被災した福島県を含む東北地方の120の写真と伝統工芸品を展示しています。入場無料です。


PRAY FOR FUKUSHIMA

2013年7月9日から

実行委員会 瀬川牧子、宮腰由希子、宮腰吉郎

キュレーター アンナ・コロレフスカヤ

デザイナー アナトリー・ハイダマカ、エフゲニー・コロレフスキー、アナトリー・ムセンコ

ポスター制作、映像編集 アレクセイ・クルマズ

2011年3月11日、東北地方での巨大地震の後、福島第一原発で事故が発生し、チェルノブイリ原発事故後の25年間で最悪の事故となりました。この事故により大気と海が大量の放射能によって汚染されました。原発周辺に住んでいた15万人の人々が避難を余儀なくされ、今も仮設住宅や借り上げ住宅で避難生活を送っています。避難地域の一部は汚染レベルが高いため帰還困難区域に指定されています。汚染地域を除染した場合の土壌の量は東京ドーム23杯分に相当するといわれ、事故を収束し、廃炉を終えるまで40年かかるとされています。

注目すべき展示として、被災地の武士の志を引き継ぐ物語があります。千年以上続いてきた伝統行事の相馬野馬追は、東日本大震災によって開催が危ぶまれたものの、復興への祈願を込め、住民が一丸となって開催しました。避難者である野馬追の武者たちの勇敢な姿を、2012年の相馬野馬追の際に写真家の高杉記子さんが彼らの住めなくなった自宅で撮影した写真で見ることができます。

ホール中央には、江戸時代に作られた野馬追の衣装をまとった武者の姿があり、その隣にはチェルノブイリ被災地であるポレーシェ地方の民族衣装を着た女性の絵があります。それらは共に原発事故の悲劇を克服する二つの民族のシンボルとなっています。この武者の衣装は福島県相馬市の渡辺義夫さんから提供していただいたもので、渡辺さん自身も津波で自宅が半壊したものの、家を修復し、相馬の他の被災者たちを支援する活動をされています。

そして、写真家やジャーナリストだけでなく被災者やボランティアなど合わせて36の個人とグループが撮影した120枚の写真と、福島県内の被災地の文化や伝統工芸を伝える展示品、そして、避難地域や放射能汚染地域の地図、事故当時の様子がわかる新聞などを展示しています。

この福島展はきっと皆様に、住民の視点で福島を見て、彼らの懸念や希望を理解させてくれるでしょう。そして、住民の目線で福島をご覧いただくことで、彼らの不安や希望を理解する一助となれば、と考えております。