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16.03.2017

ウクライナにおける日本年 “ウクライナから福島連帯の起き上がりこぼし展”

2017年3月11日の午後1時半からチェルノブイリ国立博物館にて開催される展示には、フランス、イタリア、日本、ウクライナの芸術家やチェルノブイリ原子力発電所の事故処理作業者、被災者、子供達にデザインされた200個の起き上がりこぼしが出展されます

 

 

 

 

“ウクライナから福島連帯の起き上がりこぼし展”

日本の伝統的な人形の国際展示

 

11.03.2017 – 01.09.2017

 

入場無料

 

福島県会津地方に昔から伝わる郷土玩具「起き上がりこぼし」は、4世紀以上も前から、新年の十日市の縁日で縁起物として、無病息災、家内安全、さらに子宝が授かるようにと、家族の人数に1個加えた数を購入され、1年間お供えされ続けてきました。そしてそれは、どんな困難に出会っても、何度倒れても、必ずまた起き上がるという、東北人の七転び八起きの「不屈の精神」をその愛らしい姿で現しています。

ウクライナにもネバリャーイカという起き上がりこぼしのような縁起物があり、精神的に日本人には似ていると言えるでしょう。両国で原子力発電所事故があり、国の歴史だけでなく、国民の考え方や世界観が変わりました。その恐ろしい事故を生き延びたウクライナと日本はどの国よりも平和を望み、もう二度と世界中のどこでも原子力発電所事故が起こらないようにと、様々な形の平和のためのイベントが行われています。

故郷日本から遠く離れたパリで活躍されているデザイナーの高田賢三さんが呼びかけ人となり、広島の平和公園に世界中から送られる折り鶴の再生紙を使って会津で作られた無地の張り子の起き上りこぼしに、世界中のアーティストの皆さんが、日本を想い、被災された方に心を寄せ、東日本大震災からの復興を願って絵付けをしていただいた作品が、ここウクライナのチェルノブイリ博物館で展示をされることになりました。ウクライナでそういう平和を届ける縁起物をデザインしてくれたのはチェルノブイリ原子力発電所事故の処理作業者、避難者、子供達、体が不自由な子供達、ウクライナの有名なアーティスト、音楽家や運動選手たちです。ウクライナで絵付けされた起き上がりこぼしは、応援の気持ちとして福島に寄贈される予定です。

同時に、2015年に被爆地広島で子供達が制作したキッズゲルニカの作品も四枚、展示をします。ゲルニカというのはスペインの画家パブロ・ピカソが描いた絵画のように世界は平和でありますようにという世界中の子供達の願いがこめられた作品です。今年はウクライナの子供達もプロジェクトに参加してくれました。

今年の3月11日で、東日本大震災から六年になります。福島第一原発事故の25年前に起こったチェルノブイリ原発事故の国ウクライナから、日本と一緒に、恐ろしい原発事故を決して忘れてはいけない、そしてその教訓を後世に伝えなければいけない、もうこれから二度と原発事故を起こしてはいけない、私たちのような被害者を二度と作ってはならないという事を、この展示を通じて訴えたいと思います。

いまだに事故の影響で苦しんでいる人たちは大勢います。そして原発の事故現場では、この瞬間にも何千人もの作業員の方々が、原子炉災害からの復興や収束の作業のために日夜奮闘され、大変な苦労を続けています。

ウクライナと日本は、何十年経ってもなかなか消えない放射能という共通の敵と、この先長く戦い続けなければならないという宿命を背負っています。

世界の英知を集結してこれらの難題に対処していくことで、一日も早い収束が実現されるよう、そして今なお苦しむ被災者にとっての本当の救済が成されますように。